【感想】『あやしい投資話に乗ってみた』藤原 久敏著【2016年07月01日】
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以前、『おいしい話に、のってみた』という本を読み、なかなか楽しめた(VOL49参照)ので、同じような本がないかなと探し、見つけたのが本書です。
著書の藤原 久敏さんは、ファイナンシャルプランナー。
「投資が大好き」という性分だそうで、怪しい投資に首を突っ込んで得た経験を、実録レポートとしてまとめたのがこの本の内容になっています。
本書では、様々な投資の実録が載っており、ご丁寧に収支まで書いています。
その結果は下記の通り。
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・未公開株購入【約60万円の損失】
・新規公開株購入 【約350万円の収益】
・和牛オーナー 【約10万円の収益】
・海外ファンド購入 【約10万円の損失】
・超高金利銀行に預金 【約5万円の収益】
・FXで南アフリカ「ランド」購入 【約150万円の損失】
・先物取引 【3千円の損失】
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こうしてみると、何とトータルで145万円程度の収益を出しています。
元々、新規公開株(IPO株)は「おいしい手法」ですし、FXや先物取引はやり方さえ間違わなければ「怪しい投資」ではありません。
そのため、「怪しさ感」がやや薄いかなといった印象もあります。
しかしながら、巨額詐欺事件に発展した和牛オーナー(安愚楽牧場)は経営破綻の予兆を感じ、破たん前に全て引き上げたり、超高金利銀行(日本振興銀行)もまた破綻しますが、預金保険機構の「1人1,000万円とその利子までは保護してくれる」というペイオフにより救われます。
その意味で、藤原さんはとても引き際のウマさを感じました。
損失を出した先物取引なども無理せず、ある程度の損失が出た段階で撤退しています。撤退しなかったら損失はもっと大きかったそうです。
本書を読んでみて、どんな投資であれ、勝ちの目途と損失ラインを決めておけば、大きな損は出ないんじゃないかという気がしました。
つまり、大事なのは、「何に投資するか」ではなく、「ルールの徹底」ということなのでしょう。
どんままっとうな投資でも損する人は損しているわけですから。
そんな教訓を感じた一冊でした。
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