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今年の日本シリーズは阪神×ソフトバンクでした。少し前までは弱いイメージのあった阪神タイガースですが、星野監督時代のリーグ優勝以来その印象は変わりました。

この本の著者、野崎さんはそんな阪神の低迷期に球団社長になり、18年ぶりのリーグ優勝をもたらすまで奮闘した人物。その顛末が書かれています。

この本を読む前は「頑張ったのは選手、監督じゃないか」と思っていたのですが、読んでみるとバックグラウンドで並々ならぬ苦労をされていたことがわかります。

低迷期の阪神は弱くても利益が出る球団であり、社内では「利益が出ているだけで十分。成績は関係ない」という体質だったそうです。そんな中、旅行事業から突然異動となった野崎さんは果敢に体質改善をすることに。旧体質時の役員との対立もかなり神経をすり減らしています。

星野監督になり、リーグ優勝することで実を結びますが、改革自体はその約5年前、吉田義男監督の3度目の登板時から行われており、メジャーリーガーの有名監督の招へい失敗など大変な苦労の連続。それでもガッツで前を向き続けるタフな姿勢は頭が下がります。

野崎さんが退任後、阪神は阪急に買収されるのなどその後も激動。2016年までは「阪神タイガース」の名前を使うという契約があるそうで、それ以降はどうなってしまうのかなと気になります。

多少の困難でも頑張れそうな元気を与えてくれる一冊です。

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