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国連難民高等弁務官として多くの難民を救済したことで知られる緒方貞子。
NHKディレクターである小山靖史が緒方さんのライフヒストリーに関し、長時間のインタビューや膨大な調査を基に制作した番組を書籍化した本です。
緒方さんが各ステージで関わりを持った50人以上の人々にもインタビューを行い、より客観的な人物像が浮かび上がっていきます。

読んで強く感じたのは「私心がなく純粋で真っ直ぐな想い」で問題解決にぶつかっていく人物であるということ。自分の出世などを一切考えないからこそ、通例にとらわれない大胆な行動が出来、多くの難民を救えたのだということです。
出世闘争に無関心で、純粋に行動出来るのは女性ならではの長所の一つなのかもしれないと感じました。周囲からの声を見ると今もなお、各方面から大変尊敬
されている存在なのだということが伺えます。

また、子供の頃からのキャリアをみるととてもクレバーなお方だというのも同時にわかります。明晰な頭脳と澄み切った心を持ち合わせている世界でみてもとても稀有な人物であるといえるでしょう。

2003年に外務大臣の打診があり、断ってしまったそうなのですが、もし外務大臣になっていたらどのような行動をとられていたのかと思うと少し残念な気がします。生き方の手本になる一冊です。

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