「女のいない男たち」村上春樹著【2014年4月27日】
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村上春樹の最新刊。短編集は9年ぶりの刊行になるそうです。少し前に、「作中に『タバコポイ捨て』の記述表現に北海道の地方議員が抗議した」というニュースがありましたが、この時に対象となった作品もおさめられています。
6つの短編で構成されており、いずれも「女性の喪失」がモチーフになっています。「女性の喪失」は村上作品ではよく出て来るシチュエーションであり、俳優や大学生、バーのマスターなど様々なタイプの男性が主人公として登場します。最近の村上作品の短編集はファンタジー要素が強いものが多かったと記憶していますが、今回の作品はリアリティがあり、ぐいぐいと引き込ませてくれます。ストーリー構成も見事で、また作品の順序にもこだわりがあるそうで、音楽マニアの村上さんらしくまるで協奏曲を聞いているようなリズム感で読めます。
人生の一瞬の変化を切り取ったような内容でますます深みが増し、進化しているなと唸らせてくれます。
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